デイサービスの商圏調査とは

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デイサービスの開業場所を決める際は、物件の広さや賃料だけでなく、周辺にどの程度の利用需要があり、競合事業所がどのようなサービスを提供しているかを確認する必要があります。そのために行うのが商圏調査です。

高齢者人口が多い地域であっても、競合が多い、送迎しにくい、予定するサービスと地域のニーズが合っていないといった理由で、十分な利用者を確保できないことがあります。本記事では、デイサービスの商圏調査で確認すべき項目と、市区町村ごとの競合を調べる手順を解説します。

デイサービスの
商圏調査とは

開業候補地の需要と競合状況を調べる取り組み

デイサービスの商圏調査とは、開業候補地の人口構成や要支援・要介護認定者数、競合事業所、送迎環境などを調べ、利用者を確保できる可能性を分析する取り組みです。

調査結果は、出店する市区町村や物件を選ぶだけでなく、サービスの種類、利用定員、送迎範囲、開業後の営業先などを検討する材料にもなります。

市場調査と商圏調査の違い

市場調査では、介護業界全体の動向や制度、利用者ニーズなど、比較的広い範囲の情報を収集します。一方、商圏調査では、候補物件を中心とした特定の地域について詳しく調べます。

全国的にデイサービスの需要が見込まれていても、候補地域で利用者を獲得できるとは限りません。出店予定地の需要と供給を個別に確認することが商圏調査の目的です。

デイサービスの商圏は送迎できる範囲で考える

デイサービスでは利用者の自宅と事業所の間を送迎するため、商圏は候補物件から現実的に送迎できる範囲を基準に設定します。市区町村全体をそのまま商圏と捉えると、実際には送迎できない地域まで需要に含めてしまう可能性があります。

送迎範囲を考える際は、距離だけでなく、朝夕の渋滞、狭い道路、踏切、河川、坂道なども確認します。地図上では近く見えても、移動に時間がかかる地域は商圏に含めにくい場合があります。

参照元:デイサービス経営研究所公式HP(https://www.dayservice.link/launch-3/)

デイサービスの商圏調査を
行うべき理由

利用者を確保できる可能性を判断するため

デイサービスを開業しても、候補地域に利用対象者が少なければ、必要な登録者数や延べ利用回数を確保できない可能性があります。反対に、高齢者が多い地域でも、既存事業所によって需要が満たされている場合があります。

開業前に高齢者人口、要支援・要介護認定者数、競合の件数や定員を確認することで、利用需要が見込める地域かを客観的に判断しやすくなります。

競合と異なるサービスを設計するため

競合調査では、事業所数だけでなく、機能訓練、入浴、食事、レクリエーション、認知症対応、サービス提供時間などを確認します。競合が提供していないサービスが分かれば、自施設の方向性を考える材料になります。

例えば、短時間の機能訓練型が多い地域で、入浴や食事を希望する利用者が一定数いる場合は、長時間型の需要を検討できます。ただし、競合が少ないことだけで需要があると判断せず、ケアマネジャーなどから地域の課題を確認する必要があります。

売上・収支計画の根拠をつくるため

事業計画では、開業後の登録者数、延べ利用回数、稼働率、売上などを予測します。商圏調査を行わずに利用者数を設定すると、希望的な数字に偏る可能性があります。

商圏内の対象者数や競合状況、送迎可能範囲を踏まえて利用者数を設定すれば、売上計画に一定の根拠を持たせられます。楽観的な条件だけでなく、標準的な条件や慎重な条件でも収支を試算しましょう。

物件契約後の出店判断ミスを防ぐため

広さや賃料などの条件が良い物件でも、住宅地から離れている、送迎車両が出入りしにくい、競合が集中しているなど、デイサービスに適さない場合があります。

物件を契約してから商圏上の問題が判明しても、簡単に場所を変更することはできません。候補物件を絞り込む段階で調査を行い、商圏と物件の両方を評価することが重要です。

商圏人口だけで出店を
判断してはいけない理由

総人口とデイサービスの対象者数は異なる

総人口が多い地域でも、若年層の割合が高ければ、デイサービスを利用する可能性がある人は限られます。人口規模だけを見るのではなく、65歳以上人口や75歳以上人口、高齢化率などを確認する必要があります。

さらに、高齢者のすべてがデイサービスを利用するわけではありません。商圏内の需要を判断する際は、要支援・要介護認定者数や認定率まで確認しましょう。

高齢者が多くても競合の供給量が多い場合がある

高齢者人口や要介護認定者数が多い地域は、既存のデイサービスにとっても出店しやすい地域です。そのため、需要が多い一方で、競合事業所の数や受け入れ定員も多い可能性があります。

「高齢者が多いから有望」と判断せず、競合事業所の件数、利用定員、サービス内容を調べます。対象者数と既存事業所の供給量を組み合わせて確認することが大切です。

利用者の状態とサービス内容が合わない場合がある

要支援・要介護認定者が多くても、自施設が予定しているサービスと地域のニーズが合わなければ、利用にはつながりにくくなります。機能訓練を求める人と、入浴や食事を必要とする人では、選ぶ事業所が異なります。

認定者数だけでなく、地域のケアマネジャーや医療・介護関係者から、どのような利用者が多いか、どのサービスが不足しているかを聞き取る必要があります。

送迎できなければ商圏内の利用者にならない

候補物件と利用者宅との距離が近くても、道路が混雑しやすい、踏切や河川を越える必要があるなどの理由で、送迎時間が長くなる場合があります。

送迎時間が長くなれば、車両や運転手の確保が必要になり、ほかの利用者の到着時間にも影響します。人口データ上の商圏と、実際に送迎できる商圏を分けて考えましょう。

現在だけでなく将来の需要も確認する必要がある

開業時に高齢者が多くても、地域全体の人口流出が続いている場合は、将来的に利用対象者が減少する可能性があります。一方、現在の高齢化率が低くても、今後75歳以上人口が増える地域もあります。

現在の人口だけでなく、過去からの変化や将来推計人口も確認し、中長期的に需要が見込めるかを判断します。商圏分析用のサービスには、現在・過去・未来の人口や要介護認定者数の推計を扱うものもあります。

参照元:マップマーケティング株式会社公式HP(https://www.mapmarketing.co.jp/product/kaigo/)

デイサービスの商圏調査で
把握すべき項目

人口と世帯に関する項目

人口に関する調査では、商圏内の総人口だけでなく、年齢別の人口と世帯構成を確認します。特に、高齢者がどの地域に多く住んでいるかを細かく見ることが重要です。

  • 総人口
  • 65歳以上人口
  • 75歳以上人口
  • 高齢化率
  • 高齢単身世帯数
  • 高齢夫婦のみの世帯数
  • 過去の人口推移
  • 将来推計人口

要支援・要介護認定者に関する項目

デイサービスの主な利用対象者を把握するため、要支援・要介護認定者数を確認します。自治体によっては、介護保険事業計画や統計資料の中で、認定者数や今後の見込みを公開しています。

  • 要支援1・2の認定者数
  • 要介護1~5の認定者数
  • 要介護度別の構成
  • 認定率
  • 認定者数の推移
  • 将来の認定者数

予定するデイサービスの対象者に合わせて、必要な区分を確認します。例えば、地域密着型通所介護は利用定員19人未満で、原則として事業所が所在する市区町村の住民が利用する地域密着型サービスです。

参照元:厚生労働省 介護サービス情報公表システム(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group25.html)

競合事業所に関する項目

競合事業所については、所在地と件数だけでなく、どのような利用者を受け入れているかを調べます。同じ通所介護でも、定員や利用時間、設備、プログラムによって競合関係は異なります。

確認項目 調査する内容
事業所名・運営法人 正式名称と運営する法人
サービス種別 通所介護、地域密着型通所介護など
所在地 候補物件からの距離と所要時間
利用定員 1日当たりの受け入れ可能人数
営業日・提供時間 休業日、半日型・1日型の違い
主なサービス 入浴、食事、機能訓練、レクリエーションなど
対象者 要介護度、認知症、医療的ケアへの対応状況
送迎範囲 通常の事業実施地域や対応可能な範囲

居宅介護支援事業所と地域包括支援センター

デイサービスでは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーなどを通じて利用相談につながるケースが多いため、商圏内の居宅介護支援事業所や地域包括支援センターも確認します。

件数だけでなく、候補物件から訪問しやすい場所にあるか、どの地域を担当しているかを整理します。開業後の営業活動を想定し、訪問先の一覧を作っておくとよいでしょう。

医療機関や高齢者向け住宅

病院、診療所、訪問看護ステーション、老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅なども、地域の介護需要を把握する材料になります。

施設系サービスが多い地域では、自宅で生活する要介護者の割合が想定より少ない可能性もあります。一方、退院後の在宅生活を支援する医療機関が近い場合は、連携先になることも考えられます。

交通・送迎環境

交通環境の調査では、地図や経路検索だけでなく、実際に送迎を行う時間帯に現地を走行します。朝夕で交通状況が大きく変わる地域もあるためです。

  • 幹線道路の渋滞
  • 道路幅や一方通行
  • 踏切や線路
  • 河川や橋
  • 坂道
  • 時間帯による交通規制
  • 候補物件の乗降スペース
  • 住宅地への出入りのしやすさ
参照元:デイサービス経営研究所公式HP(https://www.dayservice.link/launch-3/)

物件と採用環境

物件については、賃料や広さだけでなく、用途、改修の可否、駐車場、送迎車両の動線などを確認します。入浴設備を設置する場合は、給排水や設備工事の条件も検討が必要です。

また、利用者を確保できても、必要な職員を採用できなければ運営できません。公共交通機関や駐車場の有無、周辺の求人状況など、職員が通勤しやすい地域かという視点も持ちましょう。

デイサービスの商圏調査を
行う場合の流れ

手順1:提供するデイサービスのタイプを決める

はじめに、どのようなデイサービスを開業するのかを明確にします。機能訓練型、入浴対応型、長時間型、小規模型などによって、主な利用対象者や比較すべき競合が異なるためです。

サービスの方向性が決まっていない状態では、地域に必要な需要や競合との差を正しく分析できません。対象者、利用時間、定員、主なサービスを整理してから調査を始めます。

手順2:候補物件を中心に仮の商圏を設定する

候補物件を中心に、送迎可能と考えられる範囲を仮に設定します。一律に半径だけで区切るのではなく、道路状況や所要時間も考慮します。

例えば、短時間で送迎できる近距離圏、通常の送迎圏、条件によって対応する送迎限界圏に分けると、地域ごとの優先度を整理しやすくなります。

手順3:人口と要支援・要介護認定者数を調べる

自治体の統計資料や介護保険事業計画などから、高齢者人口と要支援・要介護認定者数を確認します。市区町村全体の数字だけでなく、可能であれば町丁目など、商圏に近い単位で確認します。

調査した数字には、資料名、調査年度、公開元を記録してください。異なる年度の人口と認定者数をそのまま比較すると、実態とずれた分析になる可能性があります。

手順4:市区町村内の競合事業所を抽出する

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」や、都道府県・市区町村が公開している介護事業所一覧を利用し、対象地域の事業所を抽出します。

検索時は、通所介護だけでなく、地域密着型通所介護や認知症対応型通所介護など、自施設と利用者が重なる可能性のあるサービス種別を確認します。

参照元:厚生労働省 介護サービス情報公表システム(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/index.php)

手順5:競合の定員とサービス内容を比較する

抽出した事業所について、介護サービス情報公表システムや公式サイトを確認し、定員、営業日、提供時間、通常の事業実施地域、主なサービスを一覧にします。

件数だけでなく、自施設と同じ特徴を持つ事業所、似ている事業所、対象者が異なる事業所に分類すると、直接競合となる事業所を把握しやすくなります。

手順6:需要と供給のバランスを確認する

商圏内の要支援・要介護認定者数と、既存事業所の件数・定員を比較します。ただし、認定者全員がデイサービスを利用するわけではなく、利用頻度も人によって異なります。

そのため、「認定者数÷事業所数」だけで出店可否を決めず、競合のサービス内容、施設系サービスの状況、地域の利用ニーズを含めて判断します。

手順7:現地で送迎・周辺環境を確認する

データ上で候補地域を絞った後は、現地を訪れて道路や住宅地の状況を確認します。朝の迎えと夕方の送りを想定した時間帯に走行し、渋滞や送迎時間を調べます。

候補物件の前面道路、車両の出入り、乗降スペース、近隣住宅への影響なども確認してください。公開データと現地調査の両方を行うことで、実際の運営に近い判断ができます。

手順8:想定利用者数と収支を試算する

商圏調査の結果をもとに、開業後の登録者数、延べ利用回数、稼働率、売上を試算します。競合が多い場合や開業前の営業期間が短い場合は、利用者の増加を慎重に見積もります。

利用者が予定より早く増える場合、計画どおりの場合、増加が遅れる場合など、複数の条件で計算しておくと、必要な運転資金を検討しやすくなります。

手順9:複数の候補地を比較する

候補地を1か所に限定すると、条件に合う物件が見つからず、賃料や立地を妥協する可能性があります。人口や競合状況を調べる段階では、複数の地域を候補に残しておきましょう。

需要、競合、送迎環境、物件、採用環境などの評価項目をそろえ、同じ基準で比較します。評価結果を一覧化すると、候補地ごとの利点とリスクを整理できます。

市区町村ごとの競合デイサービスを
調べる手順

介護サービス情報公表システムを開く

競合調査では、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」を利用できます。同システムでは、全国の介護サービス事業所について、地域やサービスの種類を指定して検索できます。

全国版トップから調査したい都道府県を選び、「介護事業所を検索する」画面へ進みます。事業所名が分かっている場合は、キーワード検索も利用できます。

市区町村とサービス種別を指定する

「市区町村名から探す」または「地図から探す」を選択し、調査対象の市区町村を指定します。複数の市区町村を選択できる場合は、候補地と隣接地域をあわせて調べます。

サービス種別では、通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護などを選びます。通所リハビリテーションなども利用者の選択肢になり得るため、必要に応じて別に抽出しましょう。

検索結果から事業所情報を一覧にする

検索結果に表示された事業所名、所在地、電話番号、事業所番号、サービス提供地域などを一覧にまとめます。各事業所の詳細ページでは、定員や営業時間などの情報も確認します。

検索結果は調査日によって変わる可能性があるため、調査日と使用した検索条件を記録してください。候補地ごとに同じ条件で検索すると比較しやすくなります。

自治体の指定事業所一覧と照合する

都道府県や市区町村の公式サイトでは、指定介護サービス事業所の一覧が公開されている場合があります。「市区町村名 介護事業所一覧」「市区町村名 通所介護」などで探します。

介護サービス情報公表システムの結果と自治体の一覧を照合し、新規指定、廃止、休止などの情報がないか確認します。資料の公開日や更新日も記録しましょう。

公式サイトでサービス内容を確認する

競合事業所の公式サイトがある場合は、提供サービス、1日の流れ、設備、送迎範囲、対象者などを確認します。介護サービス情報公表システムだけでは分かりにくい訴求内容を把握できます。

公式サイトが更新されていない場合もあるため、掲載内容だけで営業状況を断定しないよう注意します。自治体や公表システムの情報とあわせて確認してください。

Googleマップで位置関係を確認する

抽出した事業所をGoogleマップなどで確認し、候補物件との位置関係や道路環境を調べます。行政区域内の事業所だけでなく、隣接市区町村から送迎している事業所も競合になる場合があります。

一方、同じ市区町村内でも、河川や線路を挟んで送迎に時間がかかる事業所は、直接競合にならない可能性があります。行政区域と実際の送迎圏を分けて判断しましょう。

競合比較表を作成する

確認項目 記録する内容
事業所名 正式名称と運営法人
所在地 住所、候補物件からの距離・所要時間
サービス種別 通所介護、地域密着型通所介護など
利用定員 1日当たりの定員
営業日 営業曜日、休業日、祝日対応
サービス提供時間 半日型、1日型など
主なサービス 入浴、食事、機能訓練、認知症対応など
通常の事業実施地域 主な送迎対象地域
特徴 設備、プログラム、対象者、訴求内容
情報確認日 各情報を確認した年月日

件数ではなく競合の実態まで確認する

同じ市区町村に多数のデイサービスがあっても、機能訓練型と入浴対応型では対象者が異なるため、すべてが同じ強さの競合になるとは限りません。

反対に、所在地が隣接市区町村でも、自施設の商圏まで送迎している事業所は直接競合になる可能性があります。件数だけでなく、対象者、送迎範囲、サービス内容を含めて分類してください。

商圏調査の結果を
出店判断に活用する方法

需要・競合・送迎・物件の4軸で評価する

商圏調査の結果は、人口の多さだけで評価せず、需要、競合、送迎、物件の4つの視点で整理します。いずれかに大きな問題がある場合は、ほかの条件が良くても安定した運営が難しくなる可能性があります。

評価軸 主な確認内容
需要 高齢者人口、要介護認定者数、地域ニーズ
競合 事業所数、定員、サービス内容、送迎範囲
送迎 道路状況、所要時間、商圏の広さ
物件 賃料、設備、駐車場、改修費、採用環境

競合が少ない理由も確認する

競合事業所が少ない地域は、一見すると出店余地が大きいように見えます。しかし、要介護認定者が少ない、採用が難しい、送迎範囲を確保しにくいなどの理由で、事業所が増えていない可能性もあります。

競合が少ないことをそのまま好条件と判断せず、需要や地域特性とあわせて理由を考えましょう。ケアマネジャーなどへの聞き取りも判断材料になります。

楽観・標準・慎重の3パターンで収支を試算する

商圏内に一定の需要があっても、開業直後から十分な利用者を確保できるとは限りません。認知獲得や紹介ルートの構築には時間がかかる場合があります。

利用者数や稼働率について、楽観、標準、慎重の3つの条件を設定し、それぞれの売上と資金残高を計算します。慎重な条件でも運営を継続できる資金計画が必要です。

商圏調査だけで出店可否を決めない

商圏調査は重要な判断材料ですが、調査結果だけで出店できるわけではありません。自治体の指定方針や公募の有無、物件の設備基準、人員確保、資金調達なども確認する必要があります。

特に地域密着型サービスを検討する場合は、自治体による整備方針や手続きについて、候補地域の担当窓口へ事前に相談してください。

デイサービスの商圏調査に
関するよくある質問

商圏は半径何kmで設定すればよいですか?

デイサービスの商圏に一律の距離はありません。都市部と郊外では道路状況や住宅の分布が異なり、同じ距離でも送迎にかかる時間が変わります。

候補物件からの直線距離だけでなく、朝夕の所要時間を確認し、無理なく送迎できる範囲を設定します。通常の事業実施地域や車両台数も考慮してください。

競合が多い地域は避けるべきですか?

競合が多いことは、一定の利用需要があることを示している場合があります。そのため、事業所数だけを理由に候補地から外す必要はありません。

競合の定員、サービス内容、対象者、送迎範囲を確認し、自施設が異なるニーズに対応できるかを判断します。需要に対して供給が過剰であれば、別の候補地も検討しましょう。

市区町村全体の人口を使ってもよいですか?

初期調査では市区町村全体の人口を比較できますが、具体的な物件を選ぶ段階では不十分です。市区町村内でも高齢者の分布や道路環境は異なります。

候補物件から実際に送迎できる範囲を設定し、可能であれば町丁目単位など、より細かな人口データを確認してください。

商圏調査は自分でもできますか?

自治体の統計資料、介護保険事業計画、介護サービス情報公表システム、地図などを使えば、基本的な商圏調査は自分でも行えます。

ただし、町丁目単位の要介護認定者数推計や将来人口、複数候補地の比較など、詳細な分析を行いたい場合は、商圏分析ツールや専門会社、フランチャイズ本部の支援を利用する方法もあります。

CHECK
【出店判断の精度を高めよう】商圏調査から考える
デイサービスFC厳選3社

デイサービスの開業場所を決める際は、高齢者人口の多さだけで判断せず、要支援・要介護認定者数や競合事業所の定員、サービス内容、送迎環境まで確認する必要があります。なかでも、地域の需要と自施設の事業モデルが合っているかは、利用者の確保や収支を左右する重要なポイントです。

当メディアでは、「機能訓練型」「娯楽型」「小規模民家型」のデイサービスFCについて、各社のサービス内容や開業前の商圏調査、物件選定・集客に関する本部支援を調査しました。候補地域のニーズや競合状況に合う事業モデルを比較できるよう、タイプ別におすすめの3社を紹介しています。

商圏人口だけでなく
需要と供給を組み合わせて判断する

デイサービスの商圏調査では、商圏人口だけでなく、高齢者人口、要支援・要介護認定者数、競合事業所の定員とサービス内容、送迎環境などを確認する必要があります。

市区町村ごとの競合を抽出した後は、公式情報や地図、現地調査を通じて実態を確認しましょう。需要、競合、送迎、物件、収支を組み合わせて複数の候補地を比較することが、出店後のミスマッチを防ぐために重要です。